R・W・Connell, Masculinities, Second Editon (2005)

授業準備のためにChapter 3 ‘The Social Organization of Masculinity’ を再読。初版は1995年。

ジェンダーと権力−−セクシュアリティの社会学』(三交社、1993)とあわせて読むとよい。原著は以下。
Gender and Power : Society, the Person and Sexual Politics, Cambridge: Polity Press, 1987.

また、グローバリゼーションの進展を受けて登場した「世界秩序」と男性性の関係(変化)は、以下の論文で論じられている。
Connell, R. W. & Julian Wood (2005) Globalization and Business Masculinities, Men and Masculinities, 7(4): 347-364. 

要約:


●Defining Masculinity
本論文でいう男性性とは、ジェンダー関係における位置のことでもあり、その位置で男女が行う実践のことでもあり、それら実践の効果のことでもある。

●Gender as a Structure of Social Practice
・男性性・女性性が構造化される三つの場(「個々のライフコース」「言説、イデオロギー、文化」「制度」)
・ジェンダー構造(structure)の三重モデル(「権力」「生産・労働(production)」「カセクシス」)
・ジェンダーは階級や人種、国籍、世界秩序の中の位置と「交差(相互に作用)」する。

●Relations among Masculinities: Hegemony, Subordination, Complicity, Marginalization
・男性性は複数あり、少なくとも4つの理念型(「覇権的」「服従的」「共犯的」「周縁的」)が階層秩序を伴うかたちで存在している。
・特定の男性性を分析するにあたっては、覇権/服従・共犯、周縁化/権威化という二種類の関係性を枠組みとして用いることが有効

●Historical Dynamics, Violence and Crisis Tendencies
・歴史的にみて、男性性と暴力との間には抜きがたい関係がある。
・男性性の現代的な形成を理解するためには、ジェンダー秩序に見られる「危機的傾向」を整理する必要がある。

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