Sophie Lewis. How British Feminism Became Anti-Trans (The New York Times, 20190207)
要約:
USでトランスライツに対しもっとも目に見える形で反対しているのは宗教右派の人たちだが、UKで反トランスのロビー活動を繰り広げているのは表面上「フェミニスト」に見える人たちである。彼女たちはトランスライツが「女性の消去」につながると主張する。UKで反トランスのフェミニズムが台頭した背景には、1990年代〜2000年代初頭の「懐疑主義」運動が影響している。また、彼女たちの「生物学的現実」なるものへのこだわりは、イギリスのフェミニズムが植民地主義と相互に影響しあってきた長い歴史の一部である。実際、アイルランドのフェミニストは、UKの反トランス・フェミニズムを却下する理由のひとつとして、自身の植民地主義の経験をあげている(James Wilson, “Stay away from Ireland,” British anti-trans feminists told, 20180123)。だが、UKにおいて反トランス・フェミニズムが台頭した最大の要因は、USと違ってUKでは過去30年にわたり社会運動が相対的に不足してきたことで、中流−上流階級の白人のフェミニストがマイノリティ女性の側から強い批判を受けずに済んできたことにある。
参考:
・UKでの議論のきっかけになった The Guardians の社説(The Guardian view on the Gender Recognition Act: where rights collide) とそれに対する反論(Sam Levin, Mona Chalabi and Sabrina Siddiqui. Why we take issue with the Guardian’s stance on trans rights in the UK)
コメントを残す